
エコ・ネットワークは、ヒグマの住宅地出没を防ぐため、2020年から、市民ボランティアと共に札幌市南区の住宅地に隣接する放棄果樹園の伐採や枝条の整理をしてきました。この活動は、ヒグマを誘引するものを除去することにより、ヒトとクマの無用の摩擦を避けることが出来ます。
地道な活動で成果も出ていますが、資機材や運営費の負担が課題です。
地域を未来に残すため、ぜひご支援をお願いします!
エコ・ネットワークは、1992年4月に設立した環境市民団体です。
多彩な環境ボランティア活動を始め、エコキャンプ、エコツアー等の環境体験を他団体及び個人と共働で実施してきました。21世紀に入ってからは歩くことを通じて個人も地域も元気になることを目指したフットパス活動に力を入れ、札幌市内だけで年間100回以上の歩くイベントを開催して歩く文化の普及・定着を目指しています。この他、道内、道外でもフットパス歩きを多数行っているほか、イギリス、韓国等海外へも出向いています。
そして、2020年からは、ヒグマによるヒトの生活空間への接近を防ぐ第一歩として、南区内に少なからず散在する放棄果樹園の伐採を始めています。
小樽でのフットパスイベント風景
札幌市内でのフットパスイベント風景
平取町のスズラン群生地での雑草除去ボランティア
シラカバ樹液採取
サクランボの実を食べるヒグマ※札幌市提供
ヒグマは本来、森林地帯にすむ動物であり、ヒトの生活圏に現れること自体、異例なのです。
ではなぜ現れるでしょうか?
原因は2つあります。
ひとつは、クマ世界内部の個体間関係。森林の奥は有力なオスが占めているため若い個体や親子グマは排除され、住宅地等に出ざるを得なくなるため。もうひとつは、ヒト生活圏にクマの餌となるものがあって誘引されるため。
後者の代表がサクランボです。
夏は、クマにとって食べ物が少なくなる時期で、特に管理の行き届かない放棄された果樹園にクマが誘引されがちです。そうなると近隣の住宅地にも現れるようになります。2019年8月に札幌市南区藤野・簾舞地区の住宅地を徘徊した事例はその典型と言えます。
また、南区の国道230号沿いには多くの果樹園が立地していて、その内のかなりの数が後継者難などにより放棄されています。現実にそのような場所がヒグマの餌を提供していることが明らかになっています。
サクランボの樹の伐採風景
この活動は、2019年8月に札幌市南区藤野・簾舞地区の住宅地に1週間以上にわたってヒグマが住宅地を徘徊して全国的に騒がれたのが発端です。
札幌市の委託を受けて、ヒグマの生息状況の調査を実施していたNPO法人 EnVision環境保全事務所の担当者から「放棄された果樹園の伐採をしてはどうか」と持ち掛けられたのがきっかけでした。
その役割分担は以下の通りです。
クマ対策に取り組んでいる札幌市が、果樹農家の割り出しと放棄果樹園の抽出を行うとともに、該当する農家から伐採の許可を取り付ける作業を担当。EnVision環境保全事務所が、ヒグマの行動および出現状況を調査して農家との折衝に当たりました。
そして我々エコ・ネットワークは、事務局役を担いボランティアの募集、広報活動、道具・燃料等の調達に当たります。
以上、3者の円滑な連携により活動を進めてきました。
2020年6月に第1回目の活動を始めてから、5年間継続してきました。
全体を通しての流れは以下の通りです。
3~4月から、新聞、チラシ、ホームページ等で「クマボラ」のボランティア募集を呼びかけ、登録済みの方には第1回目の開催案内を送ります(2025年3月現在、登録者80名)
クマボラ参加者
伐採や枝条整理の他に草刈り作業も行う
開始時期は4~6月までとばらつきますが、以後積雪前の11月までほぼ毎月(年間6~8回)実施してきました。
作業時間は10時~14時を基本と、参加人数は毎回20~30名で推移しています。
チェンソーや刈払い機を持つ人が半数を占めていて、放棄果樹の伐採だけでなく、クマの移動経路になっている中小河川の草刈りを地域の町内会、地元高校、各種団体の皆さんと実施しています(毎回50~60名参加)。
サクランボ果樹園での枝条整理
サクランボの根も伐採
伐採されたサクランボの樹
これまで5年間で十数ヵ所の放棄果樹園の伐採を行ってきてヒグマの侵入はかなり防げたと思われます。一方で、まだ手の入っていない放棄果樹園が残っているのが現状です。早急にこれらの場所の作業に入りたいと考えていますが、以下の理由で実現するに至っていません。
1.所有者が把握できない放棄果樹園があること
離農してしまったり、そもそもの所有者の所在がつかめない場所があるためです。
2.所有者の了解が得られないケースもあること
現在は果樹園の営業を中止していても、所有者にしてみれば、長年営業してきた場所だけに伐採するのが忍びないと考える人たちがいるためです。
以上とは違った課題も表面化しつつあります。
それは、現在営業をしている果樹園も被害に遭う恐れがあるからです。
営業中の果樹園は、電気牧柵を張り巡らすなどしてしっかり対策をとっていますが、周囲が森林に接している農園では、少しの隙間から侵入を許してしまい被害に遭うケースも出ています。こういう環境では周囲の樹木伐採やササ・草刈りが有効であるため今後、営業中の場所での取り組みも重要になってくると考えています。
また助成金に頼る年もありましたが、根本的に活動費が手弁当で行われているため、運営やボランティア側の経済的負担が大きいのも課題となっており、さらには、作業には、木を伐採するチェンソーや刈払い機が必要で、これまでは所有者による無償提供で作業をしていましたが、不安定な活動になってしまうため、安全に作業を行っていくためにも、本プロジェクトを立ち上げて、活動の支援をお願いしたいと考えています。
・チェンソー、刈払い機等購入費
・機材燃料費
・チェンソー、刈払い機指導料
・グリーンボランティア保険料
・雑費(会場費等)
・運営費(クラウドファンディング手数料、リターン購入費、リターン発送作業費、送料、予備費等も含む)
放棄果樹(特にサクランボ)の伐採や中小河川の草刈りに止まらず、さらに踏み込んだ対策を市民参加型ボランティア活動で続けていきたいと考えています。
1.庭や家庭菜園にクマの好む作物(トウキビ、スイカほか)を植えないとする啓発活動。
2.公園や住宅地に接する林縁に育つ実のなる木の伐採(クリ、オニグルミ等)。
3.林縁に近い場所のゴミステーションの構造強化。
4.究極的には森林植生の多様性を豊かにすること。
5.サクランボの伐採木を利用した商品(チップ、食器等)の製品化による活動費の捻出。
以上の活動を段階的に実施してクマとヒトとの軋轢を無くす真の意味での『共生』を実現する夢に向かっていきたいと考えています。
・小川巌ヒグマ講演会 50,000円
・ヒグマグッズ(クマ除けスプレー、ヒグマトートバッグ、ヒグマとつきあう) 30,000円
・ヒグマスタディツアー参加権 20,000円
・クマ除けスプレー(5月発売予定の最新作) 15,000円
・トートバッグ 10,000円
・書籍:ヒグマとともに 5,000円
・缶バッチ3個セット 3,000円
・書籍:となりの野生ヒグマ 2,000円 [限定10口]
・書籍:ヒグマノート 1,000円
※詳細は、リターン部分に記載
50,000円
【ヒグマを正しく知ろう!小川巌によるヒグマ講演会】
・開催日や開催時間はご相談に応じます。
※講演会の会場費、会場までの交通費や宿泊費は含まれておりませんので別途相談となります。
30,000円
残り26口【ヒグマグッズで応援!】限定30口!
・クマ除けスプレー(5月発売予定)1本
・ヒグマトートバッグ(大)1枚
・ヒグマとつきあう(書籍)1冊
※トートバッグサイズ(縦横):36cm×35cm(取っ手部分除く)
20,000円
残り10口【ヒグマを知ろう!ツアーに参加をして応援!】
ヒグマスタディツアー参加権 1名分
2025年に実施するヒグマの生態や現状を知るためのフィールドツアー。
※実施日は未定ですが、2025年夏頃を予定しています。
代表・小川 巌/あるときは本屋さんだったり、またあるときは、自然ガイドだったり、さらには、講演会の首謀者だったり!果ては、パーティーのしきりやさんだったり!?テーマが「環境」ということで、一貫している以外は、幅広く、好き嫌いせずやっております。住所:札幌市北区北9条西4丁目エルムビル8階(北大正門前の通りの南向きのビル)TEL:011-737-7841
プロジェクトが成功しました!
2025/04/01に募集を開始しました。
2025/05/01 00:00:00に支援募集を終了します。
目標金額に達しない場合もプロジェクトは成立し、支援金額が引き落とされ、リターンも履行されます。