江別市の野幌高校では、多文化共生の第一歩となる「ハラル・ラーメン」開発に挑戦します。パキスタン人でムスリム(イスラーム教徒)の生徒も安心して食べられるラーメンを、地元産の食材とハラル認証品で本格的に製作。
卒業生・地域企業・卒業生のパキスタン人コミュニティと連携し、食文化を尊重しつつ、生徒たちの創造力を活かし学び合う貴重な機会に。皆様からのご支援、どうぞよろしくお願いします!
※本プロジェクトへのご寄附は、ふるさと納税制度の取扱いとなり、税額控除の対象となります(個人様の場合、寄附金額のうち、2,000円を超える部分について、寄附者の所得に応じた一定の範囲内で所得税と住民税から控除されます。)
※税額控除を受けるには、税務署で確定申告するか、北海道庁にワンストップ特例申請書(ワンストップ特例制度)を提出することが必要です。
※寄附金受領書(確定申告用)やワンストップ特例申請書については、北海道教育委員会からお送りします。

北海道野幌高等学校(ほっかいどうのっぽろこうとうがっこう)は、江別市にある全校生徒およそ200名の全日制普通科の道立高校です。「アンビシャススクール」として、基礎学力の定着と社会的・職業的自立を目指した教育を実施しています。入学後3ヶ月間は国語・数学・英語のベーシック授業を毎日行い、習熟度別授業の展開や探究学習、インターンシップなども積極的に取り入れています。
2021年に入学したソバンさん
本校にパキスタン出身のソバンさんが入学したのは2021年。彼は柔道が得意で、自宅ではひらがな表を使って日本語の学習にも励んでいました。英語だけなく、五カ国語を話すことができ、勉強に対して非常に意欲的な生徒でした。部活動ではラグビー部に所属し、先輩たちと共に汗を流しながら日々努力を重ねていました。

2024年3月の卒業式の写真

大学での授業風景
近年、江別市ではパキスタン人の居住者が増加し、特に中古車販売業に従事する方々が多く、家族での居住も増えています。
その結果、市内の学校へ進学する子どもたちが増え、本校でも今年度4名のパキスタンの生徒を迎え入れました。彼らは学校生活に意欲的に取り組んでいます。
しかしながら、日本語の習得には苦労しており、話すことが難しい生徒もいるのは否めません。


パキスタンの生徒には、学年主任が放課後の学習支援を行い、少しずつ成果が表れ始めていますが、教科担任としてさらなる支援ができるのではないかと考え、「ハラル・ラーメン」作りのプロジェクトを立案しました。

「ハラル」とは、イスラームの戒律において食べることを許された食品を指します。これに対して、イスラームで食べることが禁じられている食材は「ハラーム」と呼ばれ、具体的には、豚肉、アルコール、イスラームの作法に則っていない方法で屠畜された肉、血液などが該当します。
パキスタン人はムスリム(イスラーム教徒)が大多数を占め、本校の生徒もムスリムです。
日本人にとってラーメンは、魅力的な食文化の一つです。
しかし、本校のパキスタンの生徒によれば、ラーメンはインスタント麺というイメージが強いようです。また、一般的にラーメンには、豚肉が使用されていることが多く、また麺にも防腐剤としてアルコールが広く用いられているため、ムスリムにとっては、宗教上の理由からラーメンを食べることができません。そのため、一般的なラーメンだと食べられないのが現状です。
そこで、こうした文化や宗教上の違いを踏まえ、ムスリムでも安心して食べられる本格的な「ハラル・ラーメン」を開発することで、パキスタンの生徒にも日本のラーメン文化の魅力を知ってもらいたいと考えました。

また、学校がある江別には、農作物が豊富にあります。この地域資源を活用し、生徒と共に「ハラル・ラーメン」作りを進めることで、食文化を学ぶとともに、異文化理解を深める機会としたいです。
以上のことを踏まえ、下記を目的として、クラウドファンディングに挑戦をしたいと考えています。
・ハラル(イスラームで許された)食材を使ったラーメンの開発
・食文化と宗教の違いを理解する異文化理解の一環
・江別産農産物を活かした地産地消の実践
・地域・企業・保護者・パキスタン人コミュニティとの連携
・生徒が主体となって取り組む「異文化を尊重した商品開発」
パキスタン人に限らずムスリム(イスラーム教徒)が安心して食べられる「ハラル・ラーメン」の開発を通じて、生徒たちは食文化を学びながら、地域社会とのつながりを実感することができます。異文化を尊重した商品づくりに取り組む経験を積み、持続可能な地域参画への意識を高めるとともに、異文化理解の大切さを学ぶ貴重な機会となります。
「ハラル・ラーメン」作りは単なる料理開発ではなく、食を通じた文化交流の場となること、そして、この取り組みは、多様な価値観に柔軟に対応できる力を育むことを目指しています。

※チームメンバーの写真
イスラームでの禁忌食材を避けながら、地域企業やPTA、江別市のパキスタン人コミュニティの試食を経て、レシピを完成させる予定です。

使用する食材は、江別産の農産物を活用し、食材の選定では、ハラル認証を受けた鶏肉や牛肉等を使用、調味料もハラル認証済みのものを選択します。豚由来の成分やアルコールを含まないスープ作りに取り組み、素材の旨みを活かして美味しさの追求を目指します。麺は、素材ばかりでなく製造法にもこだわった江別産の麺を使用。さらに、ラーメンのトッピングには江別産の新鮮な野菜を使用し、彩りや栄養バランスにも配慮するために、野菜のスペシャリストである野菜ソムリエの方にもアドバイスをいただきながら使用します。
ハラルラーメン監修は、本校卒業生のソバン氏が担当します。彼は、大学生であると同時に、自営のパキスタン料理店「アンモナイト・レストラン」でスタッフとしても活躍しており、調理方法のみならずハラル食材・香辛料に関する豊富な知識を有しています。
こうした工夫を凝らしながら、日本人とパキスタンの生徒、さらに本校の同窓生・地域の方々等が協力してスープを開発し、文化の違いを尊重した料理づくりを学ぶことを通して、多様な価値観に柔軟に対応できる姿勢を養うことを目的としています。
◆ハラルラーメン開発の監修は、江別にあるパキスタン料理店”アンモナイト・レストラン”が協力


「アンモナイト・レストラン」は、ハラル認証を受けた本格的なパキスタン料理のお店です。他の北海道にあるインド料理店とは一味違い、パキスタン料理にこだわったメニューを提供しています。中でも特に、ビリヤニとチキンほうれん草(チキン・ホーレンソー)が人気があります。
また、当レストランは、地域における多文化共生を支える大切な存在でもあります。外国人やベジタリアンの方々も安心して食事を楽しめるよう、環境を整えております。同時に、地域の皆様とつながる場所として、定期的にパキスタン文化を紹介する無料イベント「アンモナイト・アカデミー」を開催しています。大学関係者から小学生まで、さまざまな方々が参加し、パキスタンの味を楽しみながら学びを深めています。
【2025年】
7月 レシピ研究
7月中旬 プレスイベント(道教委)、寄附募集開始(募集期間1ヶ月程度)
8月 PR活動、寄付〆切り
9月 メニュープレゼンテーション、メニュー決定、試作
10月 試食会、レシピ見直し
11月 レシピ完成、成果品作成
12月 事業反省
【2026年】
1月 成果品送付、事業完了
2月 実施報告書提出
講師謝金・交通費 56,000 円
材料費・調理記録用具費 201,000円
成果品の送付 43,000円
このプロジェクトを通じて、生徒たちは食文化を学びながら、地域社会とのつながりを深めることができます。異文化を尊重した商品開発に取り組むことで、持続可能な地域参画への意識を育み、異文化理解の重要性を実感する貴重な機会となりえます。
また、地域で異文化にふれる体験を通して、世界とのつながりをより身近に感じられるようになり、さらに、地域住民との交流を通じて、学校外の人々とのコミュニケーション能力も高められます。「ハラル・ラーメン」作りは、単なる料理開発を超えて、食を通じた文化交流の場として大きな役割を果たすだろうと期待しています。
1,000円 お礼のメール
3,000円 ハラルラーメンのレシピ入りパンフレット・お礼のメール
5,000円 ハラルラーメンのレシピ動画(DVD)お礼のメール
10,000円 ハラルラーメンレシピ(パンフレット・DVD)お礼のメール

古川 敬子(写真左)プロジェクト担当教官・地歴公民科教諭
地歴公民科の教諭として、グローバル化が進展する現代において、生徒の生活に根差した授業の構築は極めて重要な課題であると認識しています。今年度、本校にはパキスタン出身の生徒が入学し、彼らの文化と日本文化を融合させた授業の可能性を模索してきました。その一環として、生徒の関心を引き出しやすい「食文化」に着目し、「ハラル・ラーメン」を題材とした授業を企画。身近な食を通じて異文化への理解を深めるだけでなく、社会課題への気づきを促すことができると考えています。
さらに、クラウドファンディング事業の指定を受けたことにより、生徒の主体的・対話的で深い学びを実践する機会を得たので、この授業を通じて、生徒たちが新たな視点を身につけ、多様性を尊重する態度を育むことを目指しています。
これまでに得た知見と経験を生かし、生徒が世界を広く捉え、多様性を理解し、自らの考えを深めていける授業づくりに努めて、今後も、生徒の主体性を育む教育の実現に尽力していきます。
プロジェクトが成功しました!
2025/07/15に募集を開始しました。
2025/08/30 00:00:00に支援募集を終了します。
目標金額に達しない場合もプロジェクトは成立し、支援金額が引き落とされ、リターンも履行されます。