2016年10月29~30日に北海道羊蹄山麓で全国のロックフェス主催者が集まるワークショップ「フェス観測会2016」を開催予定です。「フェス観測会2016」は「私達はなぜフェスを主催(オーガナイズ)するのか?」を出発点に、現代祝祭文化の象徴であるフェスを「面」として社会的に共有する日本初の試みです。
南は長崎・対馬から北は北海道まで全国のローカルフェス主催者が一堂に会し、各フェスが考える「ローカリティ」を対話形式で明らかにします。また、羊蹄山麓一帯を舞台に、仮想フェス構想をつくるワークショップを実施します。
本ワークショップの目的は、流動性が高まる現代社会において、新たな祭り=地域の担い手としてのフェス主催者の価値を明らかにすることです。このワークショップを成功させる為にも、クラウドファンディングにて資金を集めたいと思っています。
(フェス観測中)
私は2009年から北海道大学大学院観光創造専攻でフェス研究を始めました。専門は社会学で、「人が生きる上で特定の場所やコミュニティは必要なのか?」という問題意識から研究がスタートしました。その意識は幼少期の多摩ニュータウンで生まれ育った経験や熊本での濃密なコミュニティとの出会い、卒業論文で取り扱った広島カープと戦後広島復興の関係性を通じて、より強くなっていきました。
フェス研究の出発点は、2000年代に若者の旅離れやコミュニケーションの内閉化が指摘される中で、なぜ、地方の山奥に数万人もの若者が集まっているのかという問題意識からでした。その象徴は1997年からスタートした「フジロックフェスティバル」です。
フェスは、複数ステージが同時に進行し、会場のどこにいても音楽が聞こえる環境で、その場にいること自体が楽しい、新たな音楽の楽しみ方をもたらしまし た。「観客」はその場を共に創る「参加者」となり、フジロックでは現在では当たり前になっているキャンプシェアやゴミ拾い、ボランティアスタッフ等、自発的な参加者の取り組みが早くから見られました。
私自身が真の意味でフェスに関心に抱いたのは、フェスを題材に修士論文を書いた後の2010年以降です。2000年代半ばには「フェスバブル」と言われた時期があり、商業化され一過性のムーブメントに終わるのではないかとの予測もありました。しかし、その後もフェスは増殖し続け、現在に至っています。それはフェスに通う慣習やファッションやアウトドア等、フェスに付随する文化が成立し始めていることを意味します。
つまり、フェスが肥大化した現在、その社会的意義を問うことができる段階に来ているのです。なぜフェスは世の中に求められるのか、なぜ私たちはフェスに参加し続けるのでしょうか。
2014年、博士課程に進学し、私は再びフェス研究に着手しました。私のフェスに関する着眼点は主に3つです。
伝統的な祭りと異なり、「フェス参加者」は地元の祭りに参加しているわけではありません。情報・物理環境的に移動が容易になった私達は、様々な場所・属性を行き交う柔軟性を持ち合わせています。私達はフェス会場内外で多元的場所に属することを毎年繰り返し・慣習化し始めています。従来の祭りが特定の地域やコミュニティへの愛着を醸成するものならば、フェスは複数の世界にまたがって生きる私達を祝う現代の祭りといえるのではないでしょうか。
2010年以降、フェスに「参加」するだけでなく「主催」する人が増加しています。伝統的な祭りの主催者=地域の担い手であるとするならば、フェス主催者も現代社会をつくる担い手となり得るのではないでしょうか。約束された将来が保証されない「主催者不在」の時代に、自ら世界を切り拓く「フェス主催者」は極めて注目すべき存在です。
その中でも私は地域レベルでフェスをはじめる主催者に着目しています。全国各地で同時多発的に起こっているローカルフェス(主催者)の誕生は、フェスを通じて、新たな地域をつくろうとする動きであると私は考えています。事実、多くのフェス主催者は、フェス開催が最大の目的ではなく、フェスを通じた同世代のネットワーク創出や地域の魅力向上を志しています。それは伝統的な地域への回帰ではなく、柔軟性を兼ね備えた地域像の誕生を予感させます。
このような全国で同時多発的に起こる地殻変動、その中心にいるローカルフェス主催者同士のワークショップを開催して、フェスの現場と研究者が一緒になってこれからの社会づくりを考えてみたいと思います。
(2016年6月 観測所メンバーによる羊蹄山麓地域視察)
ワークショップの目的は、全国のフェス主催者が実践してきた「ローカリティ」(固有性)に関する取組を、対話の中から抽出・再構成し、現代の祝祭(フェス)が創出するローカリティの共通性と差異を明らかにすることです。そのプロセスを通じて、従来の地縁・血縁・社縁的なローカリティや、国や行政が主導する地方創生的なローカリティとフェスがどのように重なり合い・ずれながら、地域社会が成り立っているのかを考えてみたいと思います。
ワークショップは主に2つのプログラムから構成されます。
①ROUND1 「ロックフェスが創造してきたローカリティ―現代フェス20年を辿って」
⇒ローカルフェスを構成する7つのキーワード「①場所」「②実行委員・スタッフ」「③アーティスト」「④タイムテーブル」「⑤音楽以外のコンテンツ」「⑥料金・事業規模」「⑦継続性・継承性」を元に主催者同士が対話を行い、参加フェスのグルーピング・名づけを行います。
②ROUND2 「羊蹄シンフォニー(仮称)のつくりかた-羊蹄山麓を舞台とした仮想フェス構想」
⇒ROUND1のグループごとに、羊蹄山麓を舞台にした仮想フェス構想を具体的にプランニングしてもらいます。
(フェス観測会2016・ワークショップの手順)
(仮想フェス「羊蹄シンフォニー」のイメージビジュアル)
※「TSUTAYA倶知安店」との連動企画
9月下旬より、TSUTAYA倶知安店さんに、フェス観測会2016の特設コーナーを設置し、
仮想フェス構想のコンセプト・ライブ会場・出演してほしいアーティスト等の意見を募集し、
フェスを考える素材として活用します。観測会終了後は、その結果を同店で公表します。
参加予定のフェス主催者の方々です。こだわった点は、①全国各地のフェスを網羅、②地域社会規模のローカルフェス、③主催者が開催地域在住・出身、④継続開催を念頭に置いたフェス、⑤開催年数のバリエーションの5つです。ライジングサンロックフェスティバルの小島さんは、現代フェスの祖先の一つであり、北海道を代表するフェスでもあるので、基調講演をお願いしています。南は長崎の対馬から北は北海道まで、歴史・文化的にも様々な背景を持った地域のフェスが集まりました。
【参加予定者】
*他にもフェス研究者やゲストスピーカーが多数参加されます。
詳しくはHP(http://festival-station.com/)をご覧ください。
このワークショップを通じて、達成したいことは主に下記の5点になります。
①フェスの消費的な側面ではない、歴史文化的な側面を明らかにすることご支援頂いた方へは、下記のお礼を予定しています。
・お礼の手紙
・お礼の手紙
・フェス観測会2016 報告書冊子(フェスアーカイブマップ付き) 1冊
・フェス観測会2016 ダイジェスト映像(動画URL)
⇒フェスワークショップROUND1、ROUND2の模様をダイジェストで収めた動画のURL
をご提供します。主催者がフェスについて対話し・フェスをつくるプロセスの一端を
ご覧いただくことが出来ます。
・お礼の手紙
・フェス観測会2016 報告書冊子(フェスアーカイブマップ付き) 1冊
・フェス観測会2016 全記録映像(動画URL・メディア媒体)
⇒10月28日ワークショップ前夜の仮想フェス構想会場視察、10月29-30日の深夜に
渡る仮想フェスづくりまで含めたワークショップの全記録映像をご提供します。
ワークショップの臨場感を味わりながら、フェスについて対話し、フェスをつくる
プロセスの全過程を知ることができます。
ワークショップの詳細や最新情報を更新しています。是非ご覧ください。
ホームページ:http://festival-station.com/30,000円
残り10口・お礼の手紙
・フェス観測会2016報告書冊子
(フェスアーカイブマップ付き)
・フェス観測会2016 全記録映像
(動画URL・メディア媒体)
(全国のフェス主催者が対話し、フェスをつくる
過程の全記録)
100,000円
残り3口・お礼の手紙
・フェス観測会2016報告書冊子
(フェスアーカイブマップ付き)
・フェス観測会2016 全記録映像
(動画URL・メディア媒体)
(全国のフェス主催者が対話し、フェスをつくる
過程の全記録)
・フェス観測所メンバーによるフェスアドバイス
*費用等に関しては、本文をご参照ください
300,000円
残り1口・お礼の手紙
・フェス観測会2016報告書冊子
(フェスアーカイブマップ付き)
・フェス観測会2016 全記録映像
(動画URL・メディア媒体)
(全国のフェス主催者が対話し、フェスをつくる
過程の全記録)
・あなたのまちで「フェス観測所2018」開催
*費用等に関しては、本文をご参照ください
プロジェクトが成功しました!
2016/09/15に募集を開始しました。
2016/10/16 00:00:00に支援募集を終了します。
目標金額に達しない場合もプロジェクトは成立し、支援金額が引き落とされ、リターンも履行されます。