近年の医療の進歩もあり、重い障がいや難病による医療的ケア(痰の吸引や栄養の注入、人工呼吸器)が必要な子どもたちでも、病院から在宅に移行し地域で生活しています。しかしながら、こうした子どもたちが成長し体が大きくなると、主に介護者となる母親の身体的負担は増すばかりです。私たちにとって当たり前の毎日の「入浴」すらままならないのです。そこで、重症児デイサービスの支援の一環としてデイサービス利用時に入浴サービスを始めたいと考えました。現在は児童デイサービスで入浴サービスを行ったとしても、それについての国からの報酬などはありません。ご家族の日々の困りごとの解決、そして重い障害や難病がある子どもたちがいつまでも生まれ育った地域で生活し続けるために、入浴設備の購入資金をクラウドファンディングで集めたいと考えています。
応援をどうぞ宜しくお願いします。
ソルウェイズ 施設内
この数字は何の数字だと思いますか?
私たちが1週間にお風呂に入る回数を表しています。そんな当たり前が在宅生活をしている重い障がいや難病、医療的ケアのある子どもたちには出来ていません。特に、障がいが重く首が座らない寝たきりで全介助が必要な子どもは、体が大きくなるにつれて入浴の介助は、母親1名ではとても難しくなります。父親の帰宅を待って入浴をと考えてもこうした子どもを育てているご家族の父親は働き盛りの年齢となっており帰りも遅いことが多く難しいです。
経鼻チューブや胃ろうと呼ばれる経管栄養を必要とする子どもの場合は、体に入っているチューブが抜けてしまわないようにと注意が必要となります。
チューブは、命をつなぐ大切な体の一部です。
病気や障がいが原因で体が小さい子の場合は、長い間ベビーバスを利用することもあります。一般的には新生児の短い期間でしか使わないベビーバスをお風呂場の床に置き、腰をかがめて介助をすることはとても身体的に負担がかかります。
奥に見えるのが、ベビーバスです。
気持ちよさそうに入浴しているところ
飲み込みに問題があり痰の吸引が必要な子の場合、湿度が高い環境となる入浴時には喀痰吸引の回数が増えます。湿度が高いこと自体は子どもたちの体にとってはよい影響を与えますが、入浴時に痰の吸引も頻回に起こると、主な介護者である母親の手だけでは足りず、訪問看護師さんの手助けや入浴サービスを利用しなければならなくなります。
介助は、二人がかりで行うことがしばしば
さらに、小児を診てくれる社会資源としての訪問看護ステーション自体が少なかったり、入浴サービスを行うどの事業所も利用者でいっぱいであるという現状があります。特に気管切開や人工呼吸器を装着している子どもの場合、気管に穴が開いている状態のため、水が入ることは絶対に許されず、呼吸が安定しているかどうか確認しながらの入浴となります。こうした子どもたちのケアに慣れている母親でも細心の注意を払わなければならない状況です。
重い障がいや難病、医療的ケアのある子どもたちを入浴させるには、一般には想像もできないほどの負担が必要となります。子ども達の体が大きく成長するにつれ、主に介護者となる母親の身体的負担は増すばかりです。
娘と私(二人ともミニーちゃんの衣装を着て、お気に入りの様子)
私は、長女に障害があると分かった日から「長女がいつまで生きるのか」「病気は治るのか」、そんなことばかり心配して育児と介護をしてきました。まさか次女まで同じ病気を持って生まれるとは想像もしていませんでした。
そんな母親の心配をよそに子どもたちは成長し、小さい頃はあれほど頻繁に体調を崩し1年の半分は病院で生活していたのに、今では入院すらしなくなりました。長女はすくすく成長しすぎて気づけば母の身長に近づいて、最近では抱っこをするとき「よいしょ!」と掛け声すら出るように。ふと、わが家のお風呂にはいつまで入れるのだろうと心配になりました。もう赤ちゃんの時のように毎日は入れてやれず、「子どもだから汚くないよね、お母さん疲れているから」という言い訳を自分に言い聞かせ、お風呂の回数もめっきり減りました。シャワー浴がしやすいようにお風呂場に入るストレッチャーを製作しましたが、もうこの大きさが限界かもしれないと感じるようになりました。
ストレッチャーを利用して自宅のお風呂に入る様子
既にお風呂場の中で身動きが取りづらくなっています。
さらに、マンション住まいなのでお風呂も改築できない・・・。そんな思いの中、自分だけ毎日シャワーやお風呂に入る後ろめたさ、子どもたちに申し訳なさでいっぱいになっていました。そんな思いを持ち続けていたある日、デイサービスに来る子どもたちのお母さんからも同様の話を聞き、多くの母親が抱えている課題だとわかりました。自分が体調の悪い時はお風呂に入れてあげられない。入浴サービスもあるけれど自宅に他人が出入りするストレスも大きいという気持ちは、事業主だけれど当事者でもある私にとってとても共感できる話でした。だったら、いつも通うデイサービスでお風呂まで入って帰って来てくれたら?障がいのある子ども、きょうだい児が夕方に帰ってきてバタバタとする時間や夕食を作る忙しい時間に少しでもご家族が心休まり休める時間が作れるのでは?と思いました。
私たちが計画しているのは、デイサービスの利用日以外にも入浴設備だけでも利用可能にし、家族と一緒にお風呂に入りに来られるようにすること。私たちがちょっとそこまでお風呂に入りに行く=銭湯に行くような、そんなサービスを行えば、子どもたちがもっとお風呂に入る機会が増えるのでは?と考えたのです。
そんな時に知ったのが、仙台で同じ重症児デイサービスの事業を行っているNPO法人あいの実さんの「銭湯プロジェクト」です。「重症児にもみんなの当たり前を」という合言葉にまさに「これだ!」と。すぐにあいの実さんの代表に連絡を取り、ぜひ札幌でもこの活動をしたいと申し出たところ、快く承諾していただきました。
みんなの当たり前を障がいのある子どもたちにも。こうした子どもたちを育てているご家族の負担をみんなで負担していきたい。日頃通っている重症児デイサービスで入浴までして帰れたら、ご家族の負担はどんなに軽くなることでしょう。また、重症児デイサービスの利用日以外でも、ご家族やヘルパーさんとデイサービスに来て、入浴設備を利用することを可能にしたら、自宅浴室の改修工事ができずバリアフリーになっていなくても、子どもの成長後もいつまでも入浴が実現できると考えています。
ソルキッズがオープンしたのは2017年4月。利用児の増加により札幌市中央区に移転してきたのは翌年6月のことでした。バリアフリーで1階にあり、しかも雨雪に濡れず送迎車に乗れるようカーポートまで貸してくれるビルのオーナーさんとの出会い、さらには「もっと広い場所でのびのびと子どもたちと過ごしたい」という思いからの引っ越しです。
とはいえ、当時は広い場所に移転したばかりでスタッフの数も少なく、新しい場所に不慣れだったこともあり、「ぜひお風呂を作ってほしい」という利用児の保護者様からのニーズを感じていながらも実現できませんでした。1年が経った今、利用児が増加したのとともにスタッフも増え、経験も重ねました。保護者様のニーズに応える準備が整ってきたところです。ビルのオーナーさんにこの入浴設備を設置したいことを相談すると、さらにスペースを貸していただけることになり、大規模な改築工事をすることとなりました。どんなに大きな入浴設備か、ご想像いただけるでしょうか。
今回導入を予定している入浴設備は「ミスト浴」ができるものです。
購入予定のミスト浴の設備写真
ソルキッズの利用児の中には気管切開やそこから人工呼吸器に繋いでいる子が多くいます。3人に1人が気管切開もしくは人工呼吸器を必要としている子どもたちです。気管切開とは、飲み込みや呼吸に問題があり気管に穴を開けチューブを入れ空気の通り道を作っている状態のことを言います。穴の向こうはすぐに気管があり肺になります。ですからそこからは絶対に水が入ってはならないのです。ストレッチャーに寝て絶対にお湯がかからないように気管切開部が機械の中に入らない、水が入らないそうしたシステムになっているミスト浴が一番安心安全なのです。また全身入浴ではないため心臓への負担も少なくてすみます。こうした子どもたちは難病も併せて持っている場合も多く、その中には心臓疾患も含まれます。ソルキッズにも心臓疾患の利用児がいます。そしてミスト浴はミスト=水分の粒子が小さいので皮膚への浸透率がとても大きいのが特徴です。子どもたちの柔らかくデリケートな皮膚は少しの摩擦でも赤くなり、おむつによりおしりもかぶれ皮膚がめくれやすいのです。ですがミスト浴では皮膚をこすって洗わなくてもすべすべになり汚れも優しく落ちます。私もミスト浴の体験をしましたが、洗い上りはしっとりすべすべになりました。また暖かいお湯が体を包み込むように機械の中から四方八方出てきますので、とても体の芯から温まりまたそれが持続します。温泉に入ったあとのように着替えを済ませてもまだポカポカが続きました。子どもたちにとって利点しかない入浴設備だと思います。
私たち施設の介護者にとっても子どもたちを安心安全に入浴させられるということ、また湯舟に浸かっていないため、急変時にもすぐに入浴装置から子どもを出して対応できること、顔色を常に確認できる状況であること、何よりも介助により介護者が無理な姿勢などを取り続ける必要がなく負担が少ないことも挙げられます。
ソルキッズのデイサービスを利用中のお子様たちが療育活動の来所日に入浴もして帰宅するだけでなく、デイサービス利用日以外にも、ぜひ入浴装置だけ利用もしていただければと考えています。
またソルキッズでは、今後札幌市内での店舗展開を決めており、全ての店舗にこの入浴装置の導入を検討しています。特定非営利活動法人 ソルウェイズのグループ内のデイサービス利用登録のあるお子様は、ご自宅により近い店舗での入浴装置利用を可能にしていきたいと思います。
特に重い障がいや難病、医療的ケアがある子どもたちが、当たり前に入浴できる、その実現に向かっていきたいと思います。
現在、デイサービスで入浴サービスを行っても、施設側にとっては全て無償です。多くの保護者から入浴ニーズが上がっているにもかかわらず、報酬制度がないのです。重い障がいや難病、医療的ケアのある子どもたちが、私たちのように当たり前にお風呂に入れない現状は、まだ社会の問題として取り上げられていません。国がこうしたニーズがあることを知り、制度化してくれることを願います。
2019年6月15日 クラウドファンディング開始
2019年7月31日 クラウドファンディング終了
2019年8月~ 返礼品対応、入浴設備購入、工事
2019年9月 デイサービスにて入浴開始
入浴装置購入、入浴設備工事費用 5,000,000円
このうちの200万円を今回のクラウドファンディングで募集したいと思います。
3,000円
サンクスメール、完成した入浴設備の写真と報告書
5,000円
サンクスメール、完成した入浴設備の写真と報告書、ソルキッズ通信(8月号)1通
10,000円
5千円コースの返礼品
+入浴設備の体験チケット1枚(発効日より1年間有効)
+ソルキッズの子どもたちと作ったバスボム1個
※チケットを利用できない方は、バスボム2個と変更可能です。
※写真は、イメージです。
30,000円
10,000円コースの返礼品
+ソルキッズの子どもたちと作ったバスボム2個
+完成した施設にお名前掲載
50,000円
30,000円コースの返礼品
+ソルキッズの子どもたちと作ったバスソルト1個
100,000円~300,000円
30,000円コースの返礼品
+ソルキッズの子どもたちと作ったバスソルト2個
平成15年4月 薬剤師資格取得
平成20年10月10日 長女出産 重症児の母親になる
平成25年9月5日 次女出産 2児の重症児の母親になる
平成29年1月 特定非営利活動法人 ソルウェイズ設立
代表理事に就任
平成29年4月 重度心身障害児デイサービス ソルキッズ宮の沢開設
平成30年6月 移転し「重症児デイサービス ソルキッズ」と改名
平成31年2月 定員拡大
ソルキッズがあるのは札幌駅からJRで一駅の桑園地区。中央区でありながらも周辺には緑が多く、広々とした公園もあります。徒歩圏にある場外市場は一年中観光客でにぎわい、四季折々の北海道の名産品が並びます。ソルキッズの子どもたちも、温かい季節には市場に散歩に出かけ、時にはデイサービスの活動で使う食料品を購入することも。
10,000円
5千円コースの返礼品
+入浴設備の体験チケット 1枚(発効日より1年間有効)
+ソルキッズの子どもたちと作ったバスボム 1個
※チケットを利用できない方は、バスボム2個と変更可能です。
100 EZOポイント
受付終了子ども用車いすマーク バギーマーク® のお店 mon mignon peche代表 NPO法人 ソルウェイズ Solways代表理事
プロジェクトが成功しました!
2019/06/15に募集を開始しました。
2019/08/01 00:00:00に支援募集を終了します。
目標金額に達しない場合もプロジェクトは成立し、支援金額が引き落とされ、リターンも履行されます。