保護猫サンちゃんを通じていのちのつなぎかたの方法を伝える本を作りたい！

北海道の田舎で活動する動物ボランティアが保護した瀕死の猫。小さな命が頑張って生きている姿から「生きるって素晴らしい」という事を沢山の人に伝えたくて、不遇な猫達の為のいのちの本を出版したいと思いプロジェクトを立ち上げました。なぜ猫を捨ててはいけないのか、なぜ猫を保護した時の対処方法を知っておいたほうがよいのか。それは、今回出版しようと思っている本の中で主人公サンちゃんが教えてくれます。

生きるとは素晴らしい事。

特に北海道の冬は外の猫にとって厳しいものです。
飼い主のいない猫をなくしたい。この本は猫をよく知らない人でも、猫を拾ったらどうすればよいかわかる『ＨＯＷ　ＴＯ本』になっています。皆さんからのご支援をお待ちしています。

新ひだか犬猫ボランティアＷＡＲＰとは

私が住んでいる北海道日高とは、サラブレッドの産地でのどかな牧場風景が広がります。その一方で、都会に比べるとまだ動物に対する意識が低く、子犬や子猫が生まれたら海や川へ捨てに行くという人が少なくありません。私達、新ひだか犬猫ボランティアWARPとは、そんな町の人たちの意識を変えたいと保健所や役場に収容された犬や猫の里親探しや、一般の方の相談にのったりして少しでも不幸な命を減らそうと取り組んでいる個人ボランティアの集まりです。会に係るメンバー全員は、仕事の合間をみて活動しているので、ボランティアという名こそ付いてはいますが本当に小さな草の根活動です。猫の保護については、札幌のニャン友ねっとわーく北海道（ＮＰＯ）に所属しながら北海道各地の個人ボランティアが力を合わせて保護猫の里親探しをしています。今回は経験豊富なボランティアの知識を集結して、初めての人にもわかるように保護の仕方を教えます。

過去の飼い主募集情報とイベントなど

出版のきっかけになった子猫との出会い

北海道の日高は、サラブレッドの産地でのどかな牧場が広がります。
この日高のとある牧場で鳥に襲われたノラの子猫が助けられました。兄弟のうち2匹は即死、1匹は一命をとりとめ、重傷で保護された子猫が１匹いました。
口の中をえぐられ、下あごは真っ二つに裂け、上あごはくちばしによりくり抜かれ大きな穴が開いて血だらけでした。

※ショッキング画像なのでカラーをやめました

心臓は動いていましたがこれだけ酷い怪我なら痛みとショックと感染で一晩もつことなく看取ることになるだろうと覚悟しました。やがてその時はやってきて・・・次第に小さくなる心音。激しかった呼吸は虫の息に。小さな命を手のひらに乗せて叫びました。

「戻ってこい！！」

するとどうしたわけか、また心臓が強く打ちはじめ、しばらく経つと力が入らなかった首をもたげてミルクを欲しがりだしたのです。

「この子があきらめていないのに私があきらめちゃだめだ！」

夜が明けるのを待って2時間半かけて札幌の大きな病院に連れて行きました。先生からは安楽死の選択もありましたが、瀕死でありながら診察台の上でもスックと立つ子猫を見て思いは変わったようです。
「難しいとは思います。普通なら生きていない。でも、この子があきらめていないのでやるだけやってみます」
そう言ってくれた先生に全てを任せることにしました。

動物病院では献身的に看護してくれ、２か月後、無事退院を迎えましたがこの子に出された診断は、

「一生カテーテル給餌」かもしれない

口から管を入れ直接胃の中に流し込むということ。上あごに穴が開いて口を開けると鼻の穴が見えるのですから。

それから1か月半。
何とか誤嚥させないで無事に成長しています。それをみて先生が手術に耐えられる体力がつけば穴をふさぐことが出来るかもしれないと言ってくれました。毎日3回はおくるみで体を固定し、のどに管を入れて辛そうで目から涙が出てきます。動物ですから口からご飯を食べることがしたいはず。

この強い子にサンと名付けました。

サンちゃんに、口からご飯を食べさせてあげたい！

この日から生きるための戦いがはじまりました。

身体が少しずつ成長してきて、カテーテルを送り込む容器ではお腹を満たさないのか、自分から容器をかぶりつくようになりました。お皿に缶詰の溶かしたごはんを乗せると、なんと口にあいた穴を気にせず顔を突っ込んで食べだしました。

「口から食べる」

願いだったことが実現した瞬間でした。
しかしやはり、上顎の穴は大抵のごはんを鼻へと送ってしまい、くしゃみをしながらの食事です。涙を流しながらも、一生懸命に食べる姿を見て、こちらも、涙。水を飲めないサンちゃんはウェットフードの水分で生きていたような気がします。

それから一年たった頃・・・

くしゃみごはんは相変わらず続いていましたが、ある日突然、ドライフードをカリカリと食べだしました。驚きと歓喜の中、ほどなくしてこれもまた突然、目の前で水を飲み初めました。猫の生きる力をみせつけられた瞬間でした。サンちゃんは、「口からごはんをたべる」普通の生活を送れる猫になったのでした。

決して楽ではない、しかし諦めないで頑張った先には素晴らしい世界があることを今、元気な姿を見せてくれるサンちゃんが教えてくれます。

猫を保護する人が一人でも増えたら、サンちゃんのように生きられる猫が増えるはずどうか賛同いただき、猫を保護したらどうしたらよいのかを広く皆様に知ってもらい、保護の知識と命の尊さを伝えていきたいと思います。