北海道の増毛町と石狩市にまたがる総延長33㎞、最大標高1,200mにおよぶ増毛山道。歴史的価値のある地域資源として北海道遺産にも任命されました。そして、NPO法人増毛山道の会の呼びかけにより、2008年から山道の復元・整備、そして、歴史や北海道遺産としての広報活動を行ってきました。
この活動を後世にも残していくために、人材育成や道普請(みちぶしん)の為にも継続的な支援が必要となります。そこで、ご支援・ご協力をお願いしたく、クラウドファンディングを立ち上げました。応援をどうぞ宜しくお願いいたします。
往時の姿が復元された笹薮の増毛山道
標高900m付近を、笹の壁に埋もれて別苅(べつかり)方向へ下る山道風景。正面遠方の雄冬(おふゆ)山道下へと道は続き、更にそこより別苅終点まで15㎞の旅が待つ。
往時の姿が甦った樹々の茂る増毛山道
長い間整備されなかった山道は、両側に白樺等の木々が生い茂り、道の上に枝が張り出し旅人の往来をこばんでいました。
北海道の増毛町と石狩市にまたがる総延長33㎞、最大標高1,200mにおよぶ増毛山道は、1857年に開削された山道で、北海道の名付け親である松浦武四郎氏がかつて「エゾ第一のでき栄え」と評した道です。
「幕末期、物流の確保と南下するロシアの脅威に対抗するため、エゾ地の難所である石狩市浜益区幌(ポロ)から雄冬岬を迂回し増毛町に至る山道を開削した」
と記録があるように、北海道への移住や農業開拓に向けた人や往物資の移動機能も担い、往時の北海道を歴史的役割や機能を体感できることから、2018年「近代化に先駆した開拓遺産とその再生」の意義が高く評価され、北海道遺産に選定されました。
復元した増毛山道は、増毛町から石狩市までにまたがり、別狩から幌(ポロ)まで幹線28㎞と岩尾分岐から岩尾までの支線5㎞の総延長33㎞に及びます。
デジタル航空写真で撮影した増毛山道の全長
2008年、2015年の2回にわたり、約30㎞を飛んで航空写真を撮影し、立体画像を作成し、増毛山道の数値位置情報を読み取り、現地で藪中の山道探索の大きな助けとなりました。
標高1038mの浜益御殿から雄冬山下1,000mの高さを通る山道は、険しい地形をぬって、最短距離で作られていることが分かります。全33㎞の毎年の道ぶしんへの挑戦が如何に大変な作業であるか、ご覧いただけるのではないでしょうか。
増毛山道は、背丈を超す笹や、木々の中を通っています。復元され、太陽を浴びた道には笹の新芽が次々と育ち、根のある笹は伸び、両側の笹の壁は実った稲穂のように倒れ、数年もすると元の藪に戻ります。
張り出した枝や、周囲の木々は台風や風説に折れたり倒れたして山道を塞ぎます。
毎年、林道融雪後の6月から11月まで、笹を刈ったり倒木を切ったりしてメンテナンスをしなければ、元の深い藪に埋もれてしまいます。総延長33㎞余り、最大標高約1200mの山道等と、作業やトレッキングに利用する林道を含めての維持管理が、増毛山道の「道普請(みちぶしん)」となります。
石狩側増毛山道から見える日本海に浮かぶ羊蹄山、ニセコ連峰の山並み
「増毛山道」は、暑寒別天売焼尻国定公園に位置し、自然環境・景観の保全を適正に図りつつ、この歴史的遺構を地域の貴重な資源として大きな意義があると確信した地域住民が中心となり、約10年かけて全線復元しました。
その後、継続して「増毛山道」の価値の保全・普及啓発・継承に取り組んでいるのが、「NPO法人増毛山道の会」です。甦った増毛山道体験に、近隣住民を誘い、歴史や遺産の話で学習し、北海道遺産の広報活動や現地でのトレッキングガイドも行っています。
〇増毛山道の復元・整備(笹狩り・道しるべ設置等)
増毛山道のほとんどが山中で、その多くが笹に覆われており、山道の正確な地図もありませんでした。そこで、2008年から航空写真や人の踏み跡の痕跡を探索し、道を切り開いてきました。
背丈以上のマガリダケを人の手で刈る作業。この先に道が復元されていきます。
二番手以下の笹刈りにより次第に人が歩ける空間が見えてきます。
刈った笹を片付け、地面上に突き出る根をカットしてようやく人が歩けるようになります。
藪中の笹と格闘し、人の歩いた痕跡を探索し、目印をつけて背丈を超す2m以上の笹を狩る作業を8年余り続けてきました。探索を間違いやり直しとなり、一日で10mのみの時も。標高の高い所は、重い荷を背負ってテント泊をし、山岳団体の支援も頂いたこともありました。
遺産の標識や遭難防止の道案内番号標識を取り付けています。
2016年に全長33㎞の復元に成功し、それからは、毎年、笹刈や道普請を行っています。
伊達林右衛門の功績を讃え、標高1198mの雄冬山山頂に約500㎏の資材を運び、山道を一望できる座所を建立しました。
〇トレッキングガイド
漁場と街を結ぶ情報モールス信号が行き交った電信線を支えた電信柱が山道沿いに、多数遺されています。
復元と同時並行で、2012年からは、別苅から岩尾間の16㎞のルートで一般公募ガイド付きトレッキングもスタートしました。7月~10月で約100名の参加がありました。これ以降、魅力ルートを選択して、回数を増やして最大8回まで開催を実現させています。そして、2018年からは、道内旅行業者と協働し、1泊2日の行程で増毛町の果樹園や酒造ツアーも取り入れた、増毛山道の魅力探索&地域経済振興の取り組みも始めています。
〇地域の歴史を伝える出前&課外授業
増毛中学校にて増毛山道の歴史とGPSやドローンを持ち込み地理の出前授業風景
地元の増毛中学1年生全員を対象に、増毛山道の歴史や地理の出前授業と、実際に山道の体験課外学習を行い、課題ごと班に分かれ発表会を開催してきています。
国土地理院北海道地方測量部により講師派遣による、地理学の講座も開催されています。
武好駅逓まで郵便物を運んだ馬子と馬が通った木製橋を支えた、石積み橋台の遺跡を散策する中学生たち。
〇広報活動
増毛山道のPRや活動を広く知ってもらうために、道内山道維持団体交流をはじめ、講演会やパネル展を道内各地で行っています。
2012年留萌市において開催。増毛山道・濃昼山道・猿留山道・様似山道・礼文崋山道・殿様街道の6山道が集合し、講演会とパネル展を行いました。
2015年札幌駅前チカホにて、パネル展・鳥の目航空写真・復元活動動画等による広報を2日間行いました。チカホでは見学者が多く、留萌振興局との共催を含め、合計3回開催しており、山道の知名度を上げることが出来ました。
上記のように、復元した【増毛山道】の道普請(維持管理)などの事業を十数年にわたって継続してきました。しかし現在、在籍会員の高齢化に伴った深刻な担い手不足に苦しんでいます。
このため、当会では令和元年から、新しい担い手の確保に向けた育成講座を開催し、これまでに約20人の方たちにご賛同いただきました。
ただし、増毛山道を未来へとつなぐ人材を育てていくには、まだ数年のときが必要となり、新しい芽が実を結ぶまでの間も、活動の継続が不可欠です。
昨年、関係機関(増毛町、石狩市、留萌振興局、石狩振興局)による官民連携の組織「『増毛山道』保全活用協議会」が発足され、この取り組みの中で持続可能な「増毛山道」の保全活用を進めるための起爆剤として、本プロジェクトが提案されました。
本プロジェクトでご支援いただきました資金は、人件費や必要経費などの活動資金として役立ていきます。皆さまのご支援、ご協力どうぞよろしくお願いします。
令和3年度は、6月初旬を皮切りに、10月下旬まで12回以上にわたり、グループによる道普請(笹狩りや多様な維持管理)を実施します。
本プロジェクトでご支援いただきました資金は、必要経費や人件費などの活動資金として役立ていきます。
<主にかかる費用>
人件費 605,000円
笹刈り機及び安全ハーネス 2組 150,000円
笹刈りチップソ-及び燃料費 108,000円
作業車リース及び油脂費 137,000円
計 1,000,000円をクラウドファンディングで募集します。
結びになりますが、私たちは、この地域活動の火を燃やし続け、魅力あふれる増毛山道を未来につないでいきたいと考えています。豊かな自然をはじめ、地域の歴史や食文化をたくさんの方たちに長く愛でていただき、すえ永く地域との交流の道となることを願っています。
1,000円/3,000円/50,000円/100,000円
感謝の手紙をお送りします。
※頂いた支援金は、プロジェクトのために活用致します。
5,000円
感謝の手紙
+「蘇った増毛山道物語」DVD 1枚
10,000円
感謝の手紙
+「蘇った増毛山道物語」DVD
+2021年度、2022年度の個人正会員権利
※年会費2,000円×2年間分=4,000円
【トレッキング参加コース(2回の開催)】
15,000円
増毛山道トレッキング参加権利 1名分
※日程9月16日(木)と9月28日(火)の2回のどちらかをお選びください。
※各コース10名まで
※循環林道南交点~岩尾10km坂本直行スケッチに遺る「武好駅逓」と岩尾暮らしの古道コース(ガイド付き)
※朝7時オーベル-ジュましけ駐車場集合~午後3時岩尾温泉下山
※現地までの交通費・宿泊費等は各自ご負担ください。
※早朝なので、前泊(自費)して増毛歴史街歩きと果樹園をお楽しみ下さい。
50,000円
増毛町内ホテル宿泊権利(オーベル-ジュましけ) 2名
※平日の一泊2食付き(夕食 創作コース)
※発行より有効期間1年間
100,000円(6口限定)
増毛山道ガイド付きトレッキング参加権利 1組8名以内の参加権利
日程:2021年9月13日(月)~10月29日(金)
※但し、土日祝日を除いた日程(平日のみ実施)
※行程は、原則、朝7時増毛町 オーベルジュましけ集合~午後3~5時までに下山
※現地までの交通費・宿泊費等は各自ご負担ください。
※早朝なので、前泊(自費)して増毛歴史街歩きと果樹園をお楽しみ下さい。
※細かなスケジュール調整は別途ご相談
【氏名】渡邉 千秋
【誕生日・年齢】1951年 69才
【略歴】増毛山道の会 会長
【増毛山道の魅力】
開鑿(カイサク)は安政4年と聞いております。136年後の平成5年に、山道調査に入りましたが、総ての道筋が背丈2m以上の笹に覆われていました。その頃は、古(イニシエ)の増毛山道を実際に歩いた方達が、まだご存命で、間接的にもお話を伺うことが出来ました。その話に出てきた建築物も、笹の中に痕跡がわずかに残る程度でした。笹の背丈を越えて電信柱のみが、幾星霜を物語る証人として残っています。
「北加伊(ホッカイ)道(ドウ)」開拓の、先達が、厳しい環境の下、家族と共に逞しく暮らしていた古道を辿ることが、今の私達につながります。
増毛山道の遺産体験から、先達の逞しさ、勇気、やさしさを貰い、再度増毛山道を訪れたくなります。
【道普請を行う理由】
山道を検分した松浦武四郎に「蝦夷地第一の出来栄え」と云わしめた道です。この言葉通りの、往時の道にもっと近付けたい想いで、道普請を続けています。
【今後の展望】
気が付けば、調査を始めてから、すでに29年の歳月が経ってしまいました。会員も高齢化の波にさらされ、私達に遺された時間は限られています。この山道にはまだまだ未発見の遺産や、物語が埋もれています。
ガイド本にある物語を継承し、未発見の宝を探検する若い会員に今後ぜひ活躍して頂きたい。
それが私達の切なる想いとする所であります。
【氏名】伊達淳信
【誕生日・年齢】1945年 76才
【略歴】増毛町生まれ 道立増毛高校39年卒業 増毛山道の会 副会長
【増毛山道の魅力】
160余年以前の増毛繁栄時、国土を守るという幕府の要請、そんな近世の歴史が埋もれている『増毛山道』には豊かな自然がある。
【道普請を行う理由】
多くの方達の協力により甦りました。このまま放っておくと、また深い笹藪に埋もれてしまいます。
増毛町と石狩市の友好の懸け橋、更には北海道の増毛山道としての魅力を発信し続けたい。
【今後の展望】
道東の自然と歴史をかみしめ、多くのトレッカ-が、安全に楽しく増毛山道を辿ることを願います。
【氏名】荒田孝司
【誕生日・年齢】1949年 71才
【略歴】増毛山道の会 副会長 所属 日本山岳会・日本山岳文化学会・ユウパリコザクラの会
【増毛山道の魅力】
約160年前にできた往時の1級国道であり、武好駅逓跡、一級水準点、朽ちた電信柱、碍子の欠片、
石積みの橋脚、庚申塚が遺っていて古人が往来した時の臭いをプンプン感じながら歩くことが出来ます。
【道普請を行う理由】
ハママシケ・マシケ両場所請負人だった伊達林右衛門が、私費を投じて開鑿した道で、松浦武四郎が検分の時、「蝦夷地第一の出来栄え」と称した山道を後世まで遺し、多くの人達に歩いて楽しんで戴きたい。
【今後の展望】
多くの人達のボランテア活動に支えられ、いつまでも維持管理出来たらと願っております。
【氏名】小野浩二
【誕生日・年齢】1968年 53才
【略歴】増毛山道の会 理事 ㈱秀岳荘代表取締役 札幌山の会 監査役 日本山岳会北海道支部 監査役
【増毛山道の魅力】
所々目にする一等水準点の遺構を見ながら歩いていると、この道を往来していた古人の息づかいを感受したような不思議な気持ちになります。
【道普請を行う理由】
増毛山道は約160年前に開鑿されましたが、その当時に芽吹いたと思われる「ウダイカンバ」の大木や500年と推定されている「ミズナラ」の大木のある道を何時までも遺したいと思っています。
【今後の展望】
歩かれなくなった道は、その瞬間から自然の目覚ましい勢いで復活し、元の藪状態に帰ろうとします。
若い人達が歩きながら、道普請をして後世に遺して欲しいと願っています。
【氏名】植田拓史
【誕生日・年齢】1979年 42才
【略歴】増毛山道の会 理事 ㈱りんゆう観光 代表取締役 一般社団法人 大雪隊・山守隊
【増毛山道の魅力】
北海道開拓期の人と暮らしに思いを馳せることが出来る、ロマンあふれる古道です。
この道を切り開いた先人の苦労は計り知れません。
【道普請を行う理由】
多くの人に増毛山道を歩いてもらい、北海道の自然の豊かさ、厳しさを感じて頂きたいから。
【今後の展望】
クラウドファンデングを通じて、より多くの方に増毛山道と、その保全に携わる人々のことを知って頂きたいです。「歩いてみたい」、「手伝いたい」という人が一人でも増えることが、増毛山道の未来につながっていくはずです。
【氏名】吉田郁子
【誕生日・年齢】昭和のオリンピックyear
【略歴】増毛山道の会 理事 登攀道場 札幌中央勤労者山岳会
【増毛山道の魅力】
長い間廃道となり身の丈を越すクマザサや木々で覆われていた山道ですが、復元後現れた道はふかふかの、足に優しい道で、生活道路だった事が良く判ります。
風や雨に当たらぬよう作られましたので登山道とは異なり、山々の眺望よりも、山道沿いの歴史遺品を探しながらのトレッキングをお勧めします。
【道普請を行う理由】
平成4~28年の長い月日をかけて山道復元にご尽力された方々の情熱と郷土愛に感銘し、歴史的価値が豊富な増毛山道をいつまでも歩き続ける状態で、維持できる為のお手伝いをしたくなりました。
【今後の展望】
小さな活動から始まった増毛山道は見事甦りしました。
その後も地道な活動継続の結果、山道を開削された伊達林右衛門さんのご子孫から、友人知人の方々へのご縁が繋がり、毎年トレッキングが開催されるようになり、国土地理院の電子マップにも掲載されました。
これからも多くの方々に歩いていただいて、活動の輪が広がる事を願います。
【氏名】渡辺 猛
【誕生日・年齢】1964年 57才
【略歴】増毛山道の会 理事 バビシェ・マウンテンクラブ
【増毛山道の魅力】
160年前にできた山道を歩くと、往時の状況を感じながら辿ることが出来る。
【道普請を行う理由】
汗と長い時間をかけて復活させて道を何時までも遺していきたい。また多くの人が増毛山道を歩き古を感じてほしいです。
【今後の展望】
山道の維持活動が、多くのボランテアによる協力で継続されることを願っております。
100,000円
残り5口増毛山道ガイド付きトレッキング参加権利 1組8名以内の参加権利
日程:2021年9月13日(月)~10月29日(金)
※但し、土日祝日を除いた日程(平日のみ実施)
※行程は、原則、朝7時増毛町 オーベルジュましけ集合~午後3~5時までに下山
※現地までの交通費・宿泊費等は各自ご負担ください。
※早朝なので、前泊(自費)して増毛歴史街歩きと果樹園をお楽しみ下さい。
※細かなスケジュール調整は別途ご相談
北海道るもい管内初の、地域おこし協力隊員。その後地方報道機関で自治体広報誌の編集者へ。 現在、編集者7年目/ちなみに親ばか歴は、6年目。
プロジェクトが成功しました!
2021/07/01に募集を開始しました。
2021/09/01 00:00:00に支援募集を終了します。
目標金額に達しない場合もプロジェクトは成立し、支援金額が引き落とされ、リターンも履行されます。