はじめまして、「標津転車台保存会」です。北海道の東の端、旧国鉄標津線「ねむろしべつ」駅跡地には、人力で押し回す転車台が残されています。また、町内には蒸気機関車C11-224も残されています。しかし、かつて毎日稼動していたこの転車台と蒸気機関車も、駅舎を失って30年が経とうとする現在、錆び付いてきてしまっています。
今一度、C11-224を転車台に置き、自分たちの手で回すこと、そしてこの地域を支えた鉄道の遺産を知り、伝えることで、地域の活気を取り戻すことが私たちの夢です。同じ夢を見てくれる方、応援してくれる仲間を募集しています。30年前の駅での光景を、再現しませんか。
北海道最果ての駅「ねむろしべつ」
最果ての駅「ねむろしべつ」がなくなったのは、標津線が廃止となった平成元年のことです。
標津線は、内陸の釧網線・標茶から中標津を経由し、オホーツク海に面した標津へ出る路線と、花咲線・厚床駅と中標津をつなぐ路線から成る二股の長大な路線でした。昭和12年の全線開通以来50年あまり、生活の足として、物資輸送路としてこの奥根室地域の発展を支えてきました。車窓に広がったのは、酪農郷の広大な丘陵地帯を抜け、知床から連なる山並みを望み、国後島の浮かぶオホーツク海へ到達する、スケールの大きな風景。終着駅の先、知床や野付半島などを目指す多くの旅行者を楽しませました。
かつて標津川を渡る橋梁のたもとだった場所から
さて、北海道の東の果て、知床半島の入り口にある標津町にあった「ねむろしべつ」駅は、廃止後30年が経とうとする現在、もう駅舎の姿はありません。しかし元駅舎から少し離れた場所には、蒸気機関車(SL)を再び送り出すための転車台が、ひっそりと眠っています。SLは進む方向が決まっているため、終点に着いたあと半回転しなくては、引き返すことができません。この転車台はそのためにSLを載せ、人の手で押しまわしていたものです。
標津に残る転車台の手押し部分
また、町内には、実際にこの駅で使われていた蒸気機関車「C11-224」も残っています。部品の一部が現役のSLに流用されるなどしたため、もう自走することはできませんが、車輪は動かすことができます。C11-224は現在、転車台から200メートルほど離れた町なかの公園に飾られています。
図書館や児童館前の公園に置かれたC11-224
鉄道が支えた町のいま
「ねむろしべつ」のあった標津町は、鮭の町です。標津線を走っていた列車も、鮮魚、水産加工品を多く送り出していました。しかしここ数年の荒天や環境の変化で、鮭の不漁が続いており、町全体の元気が失われてきています。そんな中、かつての駅前に暮らしていた私たちの仲間から、SLと、手動の転車台がそろっているなら、転車台でSLを回せるのでは?というアイデアが出てきました。奇しくも今年は標津線全面開通80周年の節目の年。また、錆止めや塗り直し等はしていても、屋外展示で劣化が進んでしまっている転車台とC11-224、どちらも今一度整備しなくては、将来に残していけないと心配されるタイミングでもありました。町の産業を支えてきた鉄道の遺産に注目することで、町の産業、文化の活気を取り戻したい。こう考えた有志が集まり、「標津転車台保存会」が発足しました。その後、標津線の歴史をたどり直したり、北海道に残る他の鉄道遺産に学んだりと準備を進めてきました。
SLを下からのぞき込むと、かなり錆びが広がっているのがわかります
SLを転車台にのせるには、SLを転車台のある公園まで移動する必要があります。吊り上げてSLを移動する実験、転車台の強度の確認や検討をおこない、SLを転車台の近くまで移動させること、車輪を転がすことはできそうだ、というところまでは漕ぎ着けています。
SLつり上げ実験。クレーン2台で方向転換させることに成功しました。
しかしここで、資金の問題が立ちはだかりました。SLを吊り上げ、トレーラーに載せ、転車台の近くで降ろすという移動の作業に、下準備を含めると800万円程度が必要と見積もっています。その多くは地域の寄付や、町や地域の信金からの助成でまかなうことになっていますが、もう一息、足りない状況です。そこで北海道や全国の方にもこの活動を知り、お力添えいただけたらと、このたび150万円分のクラウドファンディングに挑戦することになりました。いただいた出資金はSLを転車台の近くまで移動する費用のほか、SLや転車台とその周辺の整備にあてたいと考えています。今年の10月には皆さんにお披露目できるよう活動していきます。
今も残る元・駅前食堂のメニューにみる駅の姿
東の最果てからもう一度出発しようとする鉄道遺産。どうぞ皆さんの応援をよろしくお願いします。そして私たちの夢が叶った暁には、ぜひ最果ての転車台とSL、標津線の残した元気な奥根室の町々を、見に来てほしいと願っています。
〇スケジュール
平成29年
8月6日 C11-224を転車台のそばへ移動予定
10月8日 旧標津線フットパスイベントにてお披露目イベントを開催
〇標津転車台保存会メンバー
会長 篠田静雄((株)篠田興業) 副会長 稗貫雅史((有)翔重機)
顧問 藤本健二(藤本建設(株)) 会 計 久保拓人(標津商工会)
ほか
〇リターンについて
応援してくださった方へは、イベントへのご招待のほか、標津線が支えてくれた町の名物をご用意しています。
5,000円コース
・お礼状
・ねむろしべつ駅転車台オリジナル硬券(3枚) 1セット
お礼状のほか、当プロジェクトオリジナルで作成する硬券のセットをお送りします。
10,000円①
・お礼状
・標津名産 魚介の珍味・地元の牛乳を使ったチーズなど 1セット
標津線が支えた町の名物、標津の浜で獲れた魚介の珍味や、地元の牛乳を使ったチーズなどをセットでお送りします。
・サケ、ホタテなどの珍味
・地元の牛乳を使用したチーズ
・鮭節(かつお節をサケで作ったもの)
※画像はイメージです
10,000円②
・お礼状のみ
リターン品なしで、ほぼ全額を転車台・SLの整備に充てさせていただきます。
20,000円①
・5,000円コース
・C11-224のプレートを模したミニチュアキーホルダー 1個
・転車台近くの銘板にお名前を掲示いたします。
20,000円② ☆限定32名☆
・5,000円コース
・10月8日開催予定のお披露目イベントにて、SLの転車台への牽引、及び転車台を人力での押し回しに参加できるチケット(1枚)をお送りします。
・転車台近くの銘板にお名前を掲示いたします。
※お披露目イベントは10月8日を予定しています。
50,000円 ☆限定2名☆
・5,000円コース
・プロジェクトオリジナルの切手
・7月末開催予定のお披露目イベントにて、転車台へC11-224移動する際の旗振り役をお任せいたします。こちらの体験は出資者限定となります。
・転車台近くの銘板にお名前を掲示いたします。
※お披露目イベントは10月8日を予定しています。
※画像はイメージです
200,000円 ☆限定10名☆
・5,000円コース
・C11-224の正面プレートの原寸大レプリカをお送りします。
・転車台近くの銘板にお名前を掲示いたします。
※画像はイメージです
1,000,000円 ☆限定2名☆
・5,000円コース
・C11-224のプレートを模したミニチュアキーホルダー
・10月8日開催予定のお披露目イベントにて、電動での操縦によりC11-224を転車台へ移動する体験にご招待いたします。国内から釧路の往復実費+標津町までの交通費、1泊2食の町内のホテル宿泊(1名分)が付きます。こちらの体験は出資者限定となります。
・転車台近くの銘板にお名前を掲示いたします。
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