北海道各地のマンホールが撮影されている全球パノラマ写真とその解説の俳句(爪句)付の豆本写真集として出版を計画しています。豆本はA7判210ページ、全ページカラー写真で構成し、2次元マンホール写真とQRコードでパノラマ写真もみられるように印刷します。全道の市町村は179あり、異なるデザインのマンホールもあることを考慮して、1集で60市町村、2集、3集とそれぞれ60市町村を取り上げて出版する計画です。
“爪句”とはプロジェクト実行者の造語です。この言葉を使うようになった経緯を簡単に説明します。大量の画像データをパソコンのディスクにしまっておいて後でパソコン画面に写真(画像)の縮小データを並べて表示して取捨選択などを行う方法の技術的用語に「サムネイル(thumbnail)―親指の爪」があります。パソコン画面に文字通り“親指の爪”大の画像を並べます(写真参照)。
並べられた画像データは一つひとつ画像ファイルでファイル名が付けられホルダーに格納されます。この画像のファイル名は、画像の編集時の検索作業等がスムーズに行われるように、通し番号や撮影日時が用いられます。私は、ここでファイル名に575の17文字の俳句形式のものを用いています。こうすると撮影時の簡単なメモにもなるからです。サムネイルに用いる句なので直訳で「親指の爪の句」略して“爪句”としています。
写真と爪句を一体化した写真集が“爪句”本で、写真、爪句、短文の説明の三位一体で爪句本は構成されています。ただ、17文字の爪句だけでは説明不足と思われるので、1句1枚の写真に説明文を100程度で加えています。
爪句本を見開いた状態
写真も含めデジタル処理があればこそ成り立つ作品集なので新しい形式の“デジタル文芸”であるとも思っています。
爪句本とポケットティッシュとの比較
A7判の豆本サイズで写真集としては小さいと思われる方も居られると思いますが、写真と組みになって印刷されているQRコードをスマホやタブレットで読み込むことで360°の全視界を表示して見ることのできる“全球パノラマ写真”法を採用していますので、豆本といっても判の大きな写真集にそん色の無い写真を見ることができます。しかも2次元の写真では真似のできない視線方向を回転させながら、写真の拡大・縮小も行いながら写真を楽しめます。
青木由直:1941年長野県生まれ。北海道大学名誉教授、北海道科学大学客員教授、工学博士。1966年北大大学院修士課程修了、北大講師、助教授、教授を経て2005年定年退職。専門はコンピュータ工学、信号・画像処理、メディア工学。道新文化センター講師、私的勉強会「eシルクロード大学」を主宰。2017年ドローン検定1級取得、北大退職後の著作として「札幌秘境100選」(マップショップ、2006)、「小樽・石狩秘境100選」(共同文化社、2007)、「江別・北広島秘境100選」(同、2008)、「爪句@札幌&近郊百選 series 1」~「爪句@天空の整理箱 series53」(共同文化社、2008~2023)、「札幌の秘境」(北海道新聞社、2009)、「風景印でめぐる札幌の秘境」(北海道新聞社、2009)、「さっぽろ花散歩」(北海道新聞社、2010)。北海道新聞文化賞(2000)、北海道文化賞(2001)、北海道科学技術賞(「2003」、経済産業大臣表彰(2004)、札幌市産業経済功労賞(2007)、北海道功労賞(2013)、瑞宝中綬章(2021)。
プロジェクトが成功しました!
2018/04/02に募集を開始しました。
2018/07/01 00:00:00に支援募集を終了します。
目標金額に達しない場合もプロジェクトは成立し、支援金額が引き落とされ、リターンも履行されます。